財政」カテゴリーアーカイブ

新型コロナと財政

西村経済再生担当相の言うように「財政を気にしていたら、国民の命と雇用は守れない」と私も思います。
ただ、そのうえで財政の今後を考え続けていくことは政治家の責務です。
令和2年度の財政規模は、2度の補正を含め160.3兆円。実に、税収の2.5倍超です。国債新規発行額は、90.2兆円、依存度は56.3%です。
確かに、生産力増大の一方で少子高齢化や人口減による消費減退があり、良くも悪くもインフレ懸念は不要かも知れません。また、国債の国内保有率の高さは、国債価格の安定につながってはいます。
しかし今後、赤字国債をどこまで発行し続けることができるのか、その額は分かりませんが、必ず限界があるということだけは間違いありません。
さらに言えば、国債発行額や国内保有率とは無関係に、どこか1か国のデフォルトをきっかけに、一気に世界経済危機に陥るシナリオもないとは言えません。
今のわが国には財政出動以外に選択の余地はありません。ただ、私たちにできること。それは新型コロナ収束後の財政のかじ取りについて、今から議論をしておくことだと私は思います。

地方財政の1年間

千葉県令和元年度一般会計決算見込みが公表されました。
昨年の房総半島台風の復旧復興に569億円余りかかったことが分かります。そのため「災害復興・地域再生基金」を大幅に取り崩しました。
基金とはいわゆる貯金です。基金の取り崩しは歳入になります。つまり、災害発生は歳入増となり、歳入増は単純に「善」ではありません。これが財政の厄介なところです。
さて、地方財政にも1年間のサイクルがあり、全議員が知っておかねばなりません。
4月は予算配当があり、5月は出納閉鎖です。6月は決算統計を作成、7月は普通交付税が決定。8月は次年度予算編成方針発表、政府の「仮試算」も出てきます。10月は決算認定、11月は次年度予算査定開始。12月は地方財政対策の概要が提示、1月は次年度予算の首長査定。2月は地方財政計画が出され、また予算内示・公表。そして3月に予算が議決されるのです。
役所は、この財政サイクルで回っていますので、どのタイミングで予算要望書を提出するかもこのサイクルの中で決まります。

4%の不交付団体

令和2年度普通交付税大綱が閣議報告されました。
千葉県の交付額は、1859億8200万円、松戸市は7億5千万円ほど増えて72億5344億円でした。
気になるのが不交付団体です。
自治体が、国の定めたサービスを実施するには当然費用がかかります。その費用を歳入で賄えない場合、不足額を国が交付します。
一方、国の交付がなくともサービス供給ができる自治体、それを「不交付団体」と言います。
この不交付団体の増減は非常に重要です。不交付団体が減れば、国はその分地方交付税を交付せざるをえず、財政は悪化しますので。
本年度の不交付団体は、10減って75団体でした。都道府県については、見るまでもなく不交付団体は常に東京都のみです。
自治体の努力とはそれほど関係なく財政の豊かさが決まり、96%の自治体が財政が厳しい。もはや制度自体の問題と考えるべきでしょう。
もっとも、真の問題は、新型コロナの影響をまともに受ける来年の財政です。

公金運用の方針変更を

今日の日経新聞は『県、公金運用テコ入れ』『国債から地方債へシフト』と報じました。
ちなみに千葉県議会の会議録検索システムで「公金運用」と検索すると、2014年12月議会の私の質問が一番最初のようです。
運用利回り日本一だった国東市を訪ね、いろいろ教えていただいたことを思い出します。そして、基金の一括運用と長期債での運用などを質しました。
2015年6月議会では、債券を満期まで持つという必要がないことを訴えました。
千葉県は、すでに長期債での運用も地方債での運用もしています。
記事によれば、地方債の買い増しを行う方針だそうです。
すると、その先はいよいよ満期まで持ち続けるという原則をどうするのかということになります。
おそらく、保有債券を満期前に売って、なお利回りがよい債券などほとんど出回らないのだろうと思います。
しかし、仮にそういう売り物があった場合には、「満期まで保有」にこだわる必要はないと私は思います。

臨財債の見える化を

「日経グローカル」7月2日号に、大和総研の鈴木文彦主任研究員による『積立金は10年で倍増したが東京都以外は依然厳しい都道府県の財政』という非常に興味深い論考が掲載されています。
この論考を千葉県に当てはめるとどうなるのか試算してみました。
まず、貯金に相当する財政調整基金です。
2006年度のゼロ!に対して2016年度469億6416万円です。
財務省は、この部分を捉えて「国は赤字増なのに地方は黒字増」と批判しています。
しかし、その一方で借金である地方債残高は、2兆3103億円から3兆823億円へ。先ほどの黒字分を引くと、10年で7250億円も借金が増えているのです。
この間の歳入における地方債の構成比の平均値は14.6%で、このうち、本来県が発行してはならないはずの赤字県債(臨時財政対策債)が7割前後を占めます。
これは、国に代わって県が赤字を引き受けている構図にほかなりません。この現実を広く知っていただくべく臨財債の見える化を強力に推進しなければなりません。